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2022.04.25
「パッケージデザインのご紹介 原爆ドームプラモデル」
今回は、1996年に原爆ドームが世界遺産への登録を記念して、制作されたプラモデル「世界遺産 原爆ドーム」(※弊社がパッケージデザインを担当)をご紹介いたします。
はじめに
原爆ドームが世界遺産に登録されたのは1996年12月で、人類史上最初の原子爆弾による被爆の惨禍を伝える歴史の象徴であり、核兵器廃絶と人類の平和を求める誓いのシンボルとして、今も尚現存しています。
キットについて
既に販売はされていないですが、会社にあった在庫の中身を確認してみますと、原爆ドームの本体パーツや展示用の土台の他、絵はがき3枚、組立て説明図が入っています。スケールは250分の1となっており、プラモデル本体はベージュ色で成型されています。
組立て説明図には、組立て方法のみならず、原爆ドームの略年表が書かれており、原爆ドームが世界遺産に登録されるまでの歴史を知ることが出来ます。また、英文での記載もあるため、海外の方も原爆ドームの歴史を知り、プラモデルを作れるようになっています。
完成品について
会社には、完成したプラモデルを飾っておりまして、完成品を見てみますと、細部にわたってこだわりが感じられてきます。被爆したことによる壁面のひび割れ、崩れ落ちた塗り壁の裏にある煉瓦や煉瓦の凹凸、開口部の位置に至るまで忠実に再現されています。ドーム部分は、実際の鉄の質感を表現するように、錆色のような色合いで塗装が施されています。
月刊HOBBY JAPANの掲載について
1997年12月号の月刊HOBBY JAPANにて、日本のジオラマの重鎮 金子辰也氏 が制作した原爆ドームプラモデルが記事として掲載されました。金子辰也氏はミリタリー系ジオラマ作家として、HOBBY JAPANやアーマーモデリング等に作品を多数発表され、TVチャンピオン「全国プラモデラ―選手権」での優勝を経験されています。
最後に
制作当時、多くの尊い犠牲者を出した被爆の証である神聖なる原爆ドームをプラモデル化することは、批判的な意見が生まれてくるだろうという考えもあるなか、原爆ドームから生まれる平和の思いをプラモデル制作という過程を通して、被爆体験の継承、原爆という過去の出来事を風化させず、正しい情報として後世に伝えていくことを大事にし、広島にある1つの会社として企画・制作を行いました。そして、これからも地域社会に貢献し続けたいと思っております。